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甲状腺眼症

「目が腫れる」「目が充血する」「物が二重に見える」などでお悩みの方は、もしかしたら甲状腺眼症かもしれません。

甲状腺眼症は、早期に治療を行うことで斜視や眼窩減圧などの後遺症のリスクを下げることができるため、早期の発見が大切です。そんな甲状腺眼症とはどんな病気で、どのような治療方法があるのかを眼科医が詳しく解説します。

目次

甲状腺眼症とは?

甲状腺眼症は、甲状腺に関連した自己抗体によって引き起こされる眼窩炎症の一種です。

眼瞼の浮腫(むくみ)や結膜の充血に加えて、眼球の突出や運動障害、斜視が生じます。具体的には、「目やまぶたが腫れる」「目が充血する」「物が二重に見える(複視)」などの症状が見られます。

まれに、視力に深刻な影響を与える場合もあるため、注意が必要です。

甲状腺眼症の原因

甲状腺に関連した抗体が眼球周囲の脂肪や目を動かす筋肉内に存在し、これが標的となり炎症が生じます。

一般的には、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)や低下症(橋本病)と関連していますが、甲状腺機能が正常でも発症することがあります。

甲状腺眼症の5つの治療方法

治療方法はさまざまあり、患者様の一人ひとりの状況に応じて、最適な治療方法のご提案をします。

ステロイド治療

甲状腺眼症の治療の基本であり、眼窩内の炎症を緩和し、組織の浮腫を軽減する効果が期待できます。

内服や点滴といった全身的な投与の他に、局所注射も行われることがあります。

放射線療法

眼窩部に数回にわたって放射線を照射し、主にリンパ球の浸潤を直接抑制するために行われます。

ステロイド治療で改善が難しい場合に行われる治療です。

ボトックス注射

甲状腺眼症で生じる複視の原因は、目を動かす外眼筋の伸展障害が起こることで生じます。

ボトックス注射は、このような筋肉を一時的に緩める薬剤を外眼筋に注射することで、症状を改善しようとします。

ボトックスの効果は、3ヶ月から6ヶ月程度持続しますので、効果が切れた頃、再度治療が必要となります。

斜視手術

炎症が収まった後でも、後遺症として斜視が現れ、正面を見る際に複視が顕著な場合、眼を動かす筋肉の付着部を変更して眼の位置を調整する斜視手術が検討されることがあります。

眼窩減圧術

甲状腺眼症では、まれに腫れた外眼筋が視神経を圧迫したり、または目が著しく突出することで角膜潰瘍を引き起こし、視力に深刻な悪影響を与える場合があります。

これらの状況では、眼の周囲の骨を一部削って眼窩外に脂肪を排出することで、眼窩内の圧力を軽減したり眼球突出を緩和することができます。

まとめ

甲状腺眼症を悪化させる主な要因は、ストレス、睡眠不足、喫煙と言われています。

ストレスは、現代社会を生きる上で、完全になくすことは難しいかもしれませんが、睡眠不足や喫煙は生活を見直すことで解消できます。クリニックでの治療と並行して、自身の生活についても見直してみましょう。

甲状腺眼症でお困りの方、疑いがあるなどお悩みの方は、当クリニックまでお気軽にお問合せください。

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サイト監修者について

医療法人七彩

理事長 本間 理加

これまで大学病院に長く従事し、白内障手術をはじめとして、網膜硝子体手術、緑内障手術、眼瞼下垂、角膜移植など様々な眼科手術に豊富な執刀実績を持ちます。現在医療法人七彩の理事長として川越エリアを中心として手術に特化した眼科クリニックを2医院展開しています。