眼瞼下垂
眼瞼下垂の治療をする際、見た目の変化とともに費用についても気になるポイントです。保険適用とそうでない場合の費用は、一般的に桁が一つ異なります。
本記事では、眼瞼下垂について基礎的なところから保険適用の基準、手術の術式や費用についてわかりやすく簡潔に解説します。
眼瞼下垂とは?
眼瞼下垂とは、まぶたが下がって目が開きにくくなる状態のことです。まぶたが通常よりも低い位置に位置し、目が十分に開かなくなることが特徴です。
これにより、視界が制限されたり、見た目が疲れて見えたりすることがあります。そのほか、頭痛や肩こりを引き起こす原因にもなります。
似た症状で偽眼瞼下垂(ぎがんけんかすい)というものがあります。
まぶたを開けようと思えばしっかり開くことができますが、皮膚がたるんだり、すぼめて見たりすると、まぶたが下がって見える状態になります。
眼瞼下垂の原因
眼瞼下垂の主な原因は、大きく2つに分類されます。
先天性
先天性が原因の場合は、「単純性眼瞼下垂」と呼ばれ、生まれつきまぶたを上げる筋肉が十分に発達せず、その代わりに硬くて伸びにくい線維組織が多く含まれます。
通常、他のまぶたの異常や目の動きの問題は起こりませんが、片側の眼瞼下垂の場合、弱視を引き起こすことがあります。
その場合、弱視を予防するために、定期的な経過観察が必要であり、時には赤ちゃんのうちに手術が必要になることがあります。
ただし、あごや眉を上げて見ようとする場合、視機能の発達は正常だと判断できる可能性が高いため、若いうちに手術をする必要がない場合がほとんどです。
後天性
加齢により、まぶたの筋肉や組織が緩んだり、ハードコンタクトレンズを長期間使用していた人などに見られます。
まぶたを上げる筋肉の力はほぼ正常ですが、まぶたに付着する腱が何らかの影響で弱くなったり、はがれたりすることが原因とされています。
どちらの原因にせよ眼瞼下垂が進行すると、視界がさらに制限される可能性があるため、お気付きの際に、眼科の受診をおすすめします。
眼瞼下垂が保険適用となる基準とは
眼瞼下垂の治療を行うには、保険適用になる場合とそうでない場合(自由診療)があり、医師の判断によって異なります。
保険適用となるには、以下の2点が必要です。
眼瞼下垂と診断されること(視野障害、機能的障害を伴う)
具体的には、上まぶたが黒目の中心あたりまで覆っている、まぶたを開くのに力が必要、視野が狭く日常生活に支障をきたすといった場合に眼瞼下垂と診断されることが多いです。
ただ、医師によって判断基準が異なったり、軽微な眼瞼下垂などは適用外となる場合もあります。
国で認められた術式や手術器具のみを使用した手術
切らない治療法や他の術式の選択は、美容目的となるため術式の選択はできません。機能と見た目、両方を考慮した眼瞼下垂の手術は美容目的と判断され、保険適用外となります。
また、手術で使用する器具についてもレーザーメスの使用も不可となっています。一度、切開術を受けた後に修正を行う場合は、傷跡によって手術の難易度が上がり、特殊な技術を必要とするため、自由診療となります。
眼瞼下垂の主な術式4選
眼瞼下垂の代表となる4つの術式について説明します。
眼瞼挙筋前転法
まぶたを持ち上げる筋肉である眼挙筋を前方に引っ張り、短縮させることでまぶたの開閉機能を改善します。
挙筋短縮法(経皮法/経結膜法)
まぶたを持ち上げる筋肉である眼挙筋の働きを強化する手術法です。
経皮法は皮膚側から挙筋を切除し、経結膜法は結膜側から挙筋を縫い合わせて短縮することで、まぶたの開閉機能を改善します。
筋膜移植法(吊り上げ術)
先天性の眼瞼下垂の方に適用となる術式です。自身の太ももや側頭部より筋膜を取り出し、上瞼の中にある瞼板と前頭筋部分に皮下トンネルを通して接続します。
前頭筋の収縮作用を補助的なエネルギー源として活用し、まぶたの開閉機能を改善します。
眉下切開法
眉下の皮膚を切除して持ち上げることで、まぶたの開閉機能を改善します。
縫合は眉毛の下ギリギリのラインで行うため、切開のラインが目立ちにくく、自然な仕上がりが期待でき、目の印象を大きく変えない方法です。
眼瞼下垂の手術方法にはいくつか種類があります。
見た目を意識した改善もお考えの方は、自由診療となりますが、デザインの幅が広がるため、こうなりたいというご要望に寄り添うことができます。
眼瞼下垂の手術費用
一般的な眼瞼下垂手術の費用は以下となります。
3割負担の場合 | 両眼で約45,000円 |
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1割負担の場合 | 両眼で約15,000円 |
※別途、お薬代などがかかります。
※自由診療で行う手術費用については、当クリニックまでお問合せください。
まとめ
眼瞼下垂の治療は、手術を伴うため、見た目の変化やダウンタイム期間がネックとなり、なかなか治療に踏み込めない方もいらっしゃいます。
ただ現在、日常生活に支障をきたすほど視野が狭くなっていたり、慢性的な頭痛や肩こりに悩んでいる場合は無理をせずいち早く当クリニックへご相談ください。
一人ひとりにあった最適な治療方法をご提案し、生活の質が改善できるようスタッフ一同サポートいたします。
サイト監修者について
医療法人七彩
理事長 本間 理加
これまで大学病院に長く従事し、白内障手術をはじめとして、網膜硝子体手術、緑内障手術、眼瞼下垂、角膜移植など様々な眼科手術に豊富な執刀実績を持ちます。現在医療法人七彩の理事長として川越エリアを中心として手術に特化した眼科クリニックを2医院展開しています。