黄斑円孔
最近、「物が歪んで見える」「急激に視力が悪くなった」という症状はありませんか？
それは単なる疲れ目ではなく、加齢と因果関係のある眼疾患「黄斑円孔（おうはんえんこう）」かもしれません。黄斑円孔は、自然に治癒がすることがないため、放置しておくと大変危険です。
本記事では、その症状や原因、治療方法について詳しく眼科医が解説します。
黄斑円孔とは
黄斑円孔は、視覚に重要な役割を果たす「黄斑」の中心部に穴ができる病気です。これにより、ものが歪んで見えたり、中心部がぼやけたり、視力が低下するなどの症状が現れます。
治療には手術が必要で、円孔が閉じると症状が改善しますが、一部の歪みは残る場合があります。
黄斑円孔の原因
加齢による硝子体の収縮によると考えられています。
硝子体は、眼球内を満たすゼリー状の物質であり、網膜にも接しています。硝子体の収縮によって網膜に亀裂が生じ、円孔が発生することがあります。
また、黄斑前膜の手術では、網膜表面に張り付いている膜が強く癒着している場合、膜を取り除く際に黄斑に孔が生じることがあります。
黄斑円孔の治療方法
黄斑円孔は自然に治癒することがなく、進行性の病気のため、早期の治療が重要です。
空いた穴を塞ぐための硝子体手術が必要となります。
硝子体手術
網膜を引っ張っている硝子体を取り除き、代わりに医療用のガスを入れて穴を塞ぎます。
手術後、通常は視力が向上し、歪んでみるといった症状が軽減され、見え方が改善します。ただ、手術前よりも視力が低下するケースもあります（約数％）。
また、視力が改善しても歪みが一部残ることもあります。
手術後の視力は一人ひとりによって異なり、手術前の視力が良好であるほど、若い方ほど良好な結果が得られる傾向があります。
まとめ
一般的に黄斑円孔は、40代以降で発症し、60代の発症数が最も多い傾向にあります。風邪のように時間が経てば治るという眼疾患ではないので、しっかりと眼科へ受診をしていち早く治療を行いましょう。
当クリニックでは、OCT、蛍光眼底造影、広角システムを活用した硝子体手術や、涙道内視鏡による涙目の検査・治療を行っています。
眼の病気についてお困りの方は、お気軽にご相談ください。
サイト監修者について
医療法人七彩
理事長 本間 理加
これまで大学病院に長く従事し、白内障手術をはじめとして、網膜硝子体手術、緑内障手術、眼瞼下垂、角膜移植など様々な眼科手術に豊富な執刀実績を持ちます。現在医療法人七彩の理事長として川越エリアを中心として手術に特化した眼科クリニックを2医院展開しています。
