角膜移植について
角膜とは、黒目(瞳孔)・茶目(虹彩)の前の部分にあるドーム状の透明な部分です。 役割は、大きく分けて3つあります。 (a)光を通す (b)光を屈折させる (c)壁として異物の侵入を防ぐ |
角膜移植手術は、上記の機能が損なわれ点眼などでは治療出来ない場合、適応となります。具体的には、
(a)角膜が混濁したとき
(b)角膜が光を正しく屈折しないとき
(c)角膜に穴が開いたとき、または開きそうなとき
角膜移植は、機能を失った角膜を取り除き、新しい提供角膜を縫い付けます。現在基本的に亡くなられた方から提供された貴重な角膜を使用しています。
当院では国内とアメリカのアイバンクと提携しております。
日本における角膜の提供数は不十分なため、待機時間が長く、また突然「明後日の手術でいかがでしょうか?」と連絡が来ることになります。
アメリカのアイバンクでは角膜の提供が多いため予定した日程で角膜を送ってもらうことが95%程度の可能性で可能です(天候により飛行機が飛ばないなどのリスクはあります)。また内皮移植など角膜を事前に切っておくなどの操作には現在国内のアイバンクは対応していません。
それでも角膜移植が選択肢になる場合、各種角膜移植の中から最もメリットのある術式でご案内します。視力回復、疼痛(とうつう)などの辛い症状の改善、整容上の改善などのメリットと、合併症のリスク、および術後ケアの手間などをはかりにかけ、ご家族ともご相談の上、角膜移植をお受けになるかどうかをお決めください。移植を受けないという選択肢もあります。