担当医ブログ

加齢性黄斑変性~硝子体注射

医療は進化の早い分野の一つで。

例えば加齢性黄斑変性の硝子体注射が発売された当初はどこもPRN法と言って、毎月OCTで検査して、眼科医が直接眼底見て出血や水漏れ(浮腫)がみられたら打つ、というのが基本でした。

ところが徐々に悪くなっていく。それでtreat and extend法といって打って経過が良ければ次に打つまでの期間を徐々に伸ばしていく(出血や浮腫がなくても繰り返し打っていく)という方が視力の維持がいいという研究発表がふえ、当院もその方法で注射しています。その安定期の最長間隔は12週間で取っているところもあれば、16週のところもあります。現在当院は地域の基幹病院である埼玉医科大学病院と同じレジュメで施行しており、16週間隔です。

PDTという硝子体注射が出る前メインだった特殊なレーザー治療はやはりレーザーを黄斑というものをみるところに当てるわけなので、病気の活動性は抑えられるけど視力は低下するというので硝子体注射が出てきてからすたれ、現在はレーザ機器も販売されていません。しかし、硝子体注射は薬そのものが高価で治療費が続かない、タキフィラキシーといって薬に耐性ができて効きが悪くなった一部のPCV(加齢性黄斑変性のサブタイプ。かつある程度視力がすでに悪い方)の方などにはまた選択肢の一つと考えられるようになってきました。

タキフィラキシーは今まで効果が出ていたのに、2回続けて効果がでなくなった場合に考えます。最初から効果のでないものはタキフィラキシーではないです。

treat and extend法でいつになったら硝子体注射から卒業できるのか?当院では16週毎を4回打って経過が良ければ。最短・最良のコースだと打ち始めてから約2年ですね。しかし、それもある研究報告では無事卒業という形でやめた人でも1年以内に再発してくる可能性は50%という結果があります。新生血管そのものは消えてなくならないから。なので、視力を維持しようとするとやはり打ち続けるという選択になっていくかと思います。

PCVに対しPDT併用とアイリーア単独投与の治療成績を比べたものもあります。その研究ではPDT併用とアイリーア単独投与で有意差無でした。

 

一定期間で新しい治療方法というのが出てくるもので、すぐ飛びつくわけではありませんが信頼のおけるデータがある程度揃って来れば治療方針も変えていく、というのを繰り返しています。

 

 

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分院:川越眼科手術とまぶたのクリニック

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