アレルギー性結膜炎・春季カタル・アレルギーの免疫療法

アレルギー性結膜炎の種類と症状

アレルギー性結膜炎とは、目の表面に花粉などのアレルゲン(アレルギー反応を引き起こす物質)が付着して、結膜に炎症を起こす病気です。結膜とは、まぶたの裏側と白目の部分を覆っている粘膜のことです。

季節性アレルギー:花粉などが原因の、特定の季節にのみ症状があらわれる
通年性アレルギー性結膜炎:一年中症状がみられる
重症のもの:子どもに多くみられる春季カタル
      ソフトコンタクトレンズを使っている人にみられる巨大乳頭結膜炎など

アレルギー性結膜炎の症状

アレルギー性結膜炎では次のような症状が引き起こされます。

  • 目のかゆみ
  • 目の充血
  • 目の異物感
  • 目やにが出る(涙のようにサラサラした水状のもの)
  • 涙が出る
  • まぶたの裏にぶつぶつができる

春季カタルなどの重症例

  • 角膜の合併症によって目に痛みを生じる
  • 角膜の濁りのためにものが見えにくくなる状態(視力低下)角膜の混濁のなかには治療を行ったにもかかわらず、白い濁りが残ることもあります。

アレルギー性結膜炎の原因

アレルギーを引き起こす原因物質とは?

私たちの身体には、体内に入ってくる異物を排除しようとするはたらきがあり、このはたらきのことを免疫といいます。本来、花粉などは異物と感じないしくみになっているのですが、アレルギー体質だと異物と認識して、免疫反応がはたらいてしまいます。この過剰な反応のことを、アレルギー反応といいます。

主なアレルゲンには次のようなものがあります。

  • スギ花粉(時期:1~5月)
  • ヒノキ花粉(時期:3~5月)
  • カモガヤ花粉(時期:5~7月)
  • ブタクサ花粉(時期:8~10月)
  • ハウスダスト(チリ、ホコリ、ダニ、カビなど)(1年中)
  • 動物の毛(1年中)
  • コンタクトレンズの汚れ(1年中)

アレルギー症状のしくみ

アレルギー反応が起こると、肥満細胞という細胞から、ヒスタミンなどの物質が大量に放出されます。これらの物質は、目の知覚神経や毛細血管などを刺激して、強いかゆみや充血などの炎症を引き起こします。

アレルギー性結膜炎の治療方法と対策

①薬物療法(対症療法)と②免疫療法(根治治療)③外科的治療があります。

薬物療法の目的は、日常生活に支障がないように、かゆみの症状を軽くすることが中心となります。
治療には、抗アレルギー点眼薬(抗ヒスタミン薬、ケミカルメディエータ遊離抑制薬)が、主に使われます。重症の場合には、ステロイド点眼薬や免疫抑制点眼薬などを使用する場合があります。

免疫療法は以前は注射で頻回に病院に通う必要がありましたが、舌下療法なら落ち着くと月に一回の受診でよくなります。

外科的治療は春季カタルなど、重症例に対して行いますが、薬を使わなくていいわけではありません。

アレルギーの薬物療法

点眼・点鼻・内服:

抗アレルギー薬の点眼を用います。内服・点鼻も実は目の症状軽減に役立ちます。鼻でアレルギーのもとを感じていると目の結膜でのヒスタミン放出を促進してしまうからです。

初期療法:

初期療法とは季節性のアレルギーなど、症状が出る前の(花粉飛散時期の)約2週間前から、または症状が少しでもあらわれたら、抗アレルギー点眼薬による治療を始める方法です。

で、花粉飛散ピーク時の症状が軽くなります。毎年花粉症がひどい場合は、症状があらわれる前に眼科を受診することをおすすめします。また、抗アレルギー点眼薬は比較的副作用の少ない薬です。使用中は勝手に中断することなく、眼科医の指示に従って使うことが大切です。

アレルギーの舌下免疫療法:

アレルギー症状を長期間和らげたり、治すことが期待できる治療法

アレルゲン免疫療法は、減感作療法とも呼ばれ、アレルギーの原因である「アレルゲン」を少量から投与することで、体をアレルゲンに慣らし、アレルギー症状を和らげる治療法です。
アレルギー症状を治す可能性のある治療法と考えられています。
アレルギー症状のある疾患のうち、スギとハウスダストの薬があります。スギ花粉症、アレルギー性鼻炎、気管支喘息などに対してこの治療法が行われています。(詳しくはこちら) (スギ花粉動画) (ダニアレルギー動画)

アレルゲン免疫療法の特徴:■アレルギー症状を治したり、長期にわたり症状をおさえる可能性のある治療法です。(症状が完全におさえられない場合でも、症状を和らげ、おくすりの使用量を減らすことも期待できます。)■治療前に、症状がアレルゲンによるものかの確定診断が必要です。(問診やアレルギー検査などを行うことにより、症状を引き起こすアレルゲンを確かめます。)■治療は長期間(3~5年)かかります。■すべての患者さんに効果が期待できるわけではありません。

舌下免疫療法:軽い副作用(50人に1人未満の確率)

  • 舌の下のはれ
  • 口の中のはれ
  • 口内炎
  • 口の中や、のどのかゆみ
  • 耳、鼻、目、皮膚のかゆみ
  • 頭痛
  • くしゃみ・鼻水・鼻づまり
  • 耳やのどや違和感

上記のような副作用が出た日は、経過を観察し、症状が治まらない場合は翌日受診してください。

 舌下免疫療法:重い副作用~アナフィラキシーショック

  • シダトレンを使った舌下免疫療法では、アナフィラキシーショックの報告は未だありませんが、可能性として完全に否定はできません。
  • シダトレン以外の薬剤を使った舌下免疫療法では、約1億回投与して1回の割合でアナフィラキシーショックが報告されていますが、アナフィラキシーショックで死亡した報告はありません。(仮にアナフィラキシーショックになったとしても命に別状はなかったということです。)

<参考> 舌下免疫療法ではなく、注射で行う皮下免疫療法では、アナフィラキシーショックや、アナフィラキシーショックで死亡したような重い副作用の報告は、かなりまれですがあります。

下のような副作用が出たときは、アナフィラキシーショックの可能性がありますので、直ちに救急車を要請するなど、迅速な対応をしてください。

●突然のショック症状(意識が遠くなる、呼びかけても返事がない、脈が早くなる、不整脈、血圧低下)
●呼吸器の症状(声がかれる、胸がしめつけられる、呼吸がしづらい、呼吸がゼーゼー・ヒューヒューする、顔や唇が蒼くなる)
●皮膚症状(全身が赤らむ、顔がはれる、蕁麻疹など)
●目の症状(よく見えない、視野が狭くなった)
●胃痛が続く、嘔吐が続く

舌下免疫療法の治療費の目安

3割負担の患者様で、以下のようになります。(クリニックと薬局でお支払いの全ての合計金額です。)

受診回数

金額

初回受診時

約2000円

2回目受診時(初回受診時から1週間後)

約1500円

3回目受診時(2回目受診時から1週間後)

約1700円

4回目受診時(3回目受診時から2週間後。その後は4週間に1回)

約1,800円

4回目以降は、1日約70円と考えるとよいと思います。

※アレルギー検査、アレルギー薬内服が必要な方は別途料金が必要です。
※スギ花粉が飛んでいるときは、症状によってアレルギー薬が別途必要となることもあります。

アレルギー対策

アレルギー性結膜炎の対策のポイントは、日常生活でできるだけアレルゲンに触れないことです。時間があるときに何に反応しているか検査をしましょう。

  • 腕から採血:結果は1週間ほどお待ちいただきますが、13種まで一度に好きな項目を調べられます。項目がたくさんあるので、多少どの時期とかどういう場面で痒いか、くしゃみが出るかを確認しておきましょう。
  • 指先から採血:決まった8項目しか出せませんが20分で結果が出ます。赤ちゃんでも調べられます。
花粉対策
  • 外出時はメガネ、マスク、帽子を着用する
  • 帰宅時に衣類や髪に付いた花粉を払い落とす
  • 帰宅後は手洗い、うがい、洗顔を心掛ける
  • 洗濯物、布団は花粉を払い落としてから取り込む
ハウスダスト対策
  • 掃除機でこまめに掃除をする
  • ホコリが溜まりやすい場所は、濡れ雑巾などで拭く
  • たたみやじゅうたんはダニが繁殖しやすいため、床はフローリングにする
  • 布団は天日干しをする
※花粉症とスギ花粉の飛散量

今や3人に1人が何らかのアレルギー疾患を持っているといわれています。特に、花粉症に悩む人は毎年増え続けています。この理由の1つに、花粉症の原因となるスギ花粉の飛散量が増えていることが指摘されています。

スギ花粉の飛散量は、前の年の夏の気候に大きく影響されます。猛暑で雨の少ない夏の翌年は、花粉の飛散量が多くなるといわれています。また、花粉が飛び始める時期は、1~2月の気温に影響されます。この時期の気温が高いと、スギの花芽の活動が早まり、花粉も早くから飛散するといわれています。天気予報や花粉情報に気を付けて、早めの対策を心掛けましょう。

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分院:川越眼科手術とまぶたのクリニック

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