当院では毎月院内研修(スタッフ向け)を行っています。

2018.10月は緑内障について。一般的なことは来院された際に資料や動画をみていただき理解していただいていると思いますが、背景や医師が何をみながら診察しているのかを理解する手助けになるので、一部ご紹介します。

1)まず、緑内障の視野異常は見えないところは真っ黒になるのではなく、あえて言えば抜けて認識できない部分となります。だから、相当進行しないと見えない部分があるという事に気が付きません。

2)緑内障治療の目的は、大雑把にいえば生きている間は見えている、という状況を保つこと。全身の寿命より眼の視野の寿命が長くなればいいわけです。

詳しくいうと静的量的視野で-20dB程度で生活に支障が出てきます。

視野悪化の進行ペース(MDスロープ)を-0.5dB/年以下に抑えるのはひとつの目標です。

このペースは40歳で発症してすぐ発見された場合、100歳になって失明するというペースです。

欲を言えば90歳ぐらいでも生活に支障がないレベルにするためには-0.3dB/年程度に抑えたい(40歳で発症してすぐ発見され、このペースでコントロールすると90歳でまだ-15dB。-15dBはおおざっぱに視野の半分が障害されている)ところです。

視野は誰でも多少の変動幅があります。診察の時に医師が折れ線グラフを表示して確認していることがありますね。あの折れ線グラフからMDスロープというのを見ています。MD値とは視野検査の点数のようなもので、同じ年齢の正常者と比較し視野の欠け具合を数値 化したものです。一般的な視野検査は中心30度の範囲の感度を測定していて、MD値が-6dBの場合、 6点/30点となります。MDスロープは、きょろきょろせずに行えた視野を5回以上測定し視野が年平均で何dB悪くなっているかで、患者さんの将来視野の予測 に役立ちます。

3)眼圧の日内変動

日本人の平均眼圧値は14.5mmHgで、日内変動幅が3~6mmHgと言われています。一般的にAM眼圧が高く夕方が低いパターンですが、個人差があります。定期検査にご来院の際は、午前・午後など来院時間に注意してみてはいかかでしょうか 。

日内変動の他に、季節変動として「冬」・体位変動として座位より「仰臥位」(床に寝そべっている状態)が眼圧上昇の因子とされています。 逆立ちすればさらに眼圧は上がります。眼圧が低いのに視野の進行が速い方は夜間寝ているときの眼圧の上昇を疑います。

4)他点眼ごとの眼圧低下の期待値、予想される合併症、PG製剤の合併症であるDUESなど

研修を通し患者さんに貢献できることを増やしていくよう努力しています。

また別の機会に前視野緑内障やOCTで何を見ているのかについて等お知らせしたいと思います。